2020年06月22日
住宅ローンはどこがいい?
不動産購入時、資金計画は重要視されます。
住宅ローンを組む際のポイントはいくつかありますが、まずいえることは、いくら借りれるのか?
これを把握することからだと思います。
一般的に勤続年数・年収・既存借入有無、勤め先の属性などがポイントになります。
勤続年数…
最近では、転職をされる方も多くみられます。時代の流れかもしれません。
転職歴がある場合、注意しなければならないのが、その数と勤務期間です。
●原則3年以上ですが、1年未満でも机上に乗るケースがある。
●異業種への転職でなければ、その経歴が重要視されることも。
これらを決めるのは、銀行などの金融機関ではなく、お客様の債務を保証する保証会社なのです。
金融機関や保証会社について
一例として、メガバンクの場合…
自社関連会社の保証会社があるところもあります。
一方、他金融機関と同じ審査機関を利用するところもあります。
一例:三菱UFJ銀行の場合
保証会社として、三菱UFJ信用保証、全国保証という2本立てで審査をしているようです。
もちろん自社関連の保証会社(プロパー)でお話ができれば、別会社は利用しないのが通常です。(他社基準は保証料が高いので)
この保証会社は、実は、地方銀行や他金融機関でも重複して利用しています。
近年では、インターネットバンキングなどを利用した中途償還などは手数料を取らないというケースもあるようです。
地方銀行の場合…
メガバンク同様に自社関連の保証会社もあります。全国保証も利用しているようです。
審査は全体的にメガバンクに比べると若干遅め。
最近では金利勝負で低金利を提供しているところもあるようです。
信用金庫の場合…
信用金庫単体ではなく、全国の信用金庫で構成している保証会社、そして全国保証も利用しています。
その地域に根付いた営業主体なので、便利さはメガバンクや地銀と比べても優劣つけがたいです。
ファイナンシャルプランナーとしていえること
住宅ローンを組む際に、一番重要視しなければならないのが、返済計画
一例で、通期固定金利を選ぶ人もいますが、変動金利を選ぶ人もいます。
この選択は非常に難しいですが、景気の動向に金利は左右されますので、随時見直しのできる金融機関が望ましいと思います。
3年固定を選んだ後は?
3年間金利が固定されるあとは、再び選択をする金融機関や変動金利にシフトする金融機関
色々あります。
再び固定金利を選択するときには、事務手数料が発生したりすることも…
変動金利は不安?
通常返済額に対し、金利上昇が進んだ場合、5年間の返済額は変わらない代わり、元本が減らないことになります。その場合も、次の返済期間における返済額は前返済額の1.25倍までとされています。
ということは、低金利時代には変動金利でしっかりその利ザヤを稼ぐ考えも正解
逆に固定期間を長く設定して確実に元本を減らす考えも正解だと思います。
意外にばかにならないのが、金利見直し時の手数料です。
金融機関は今や手数料収入が収益の柱と言われています。
土地から買って新築をする場合の融資の組み方
メガバンクの場合、基本土地決済と建物決済は融資が2本立て
そして建築業者に支払う中間金などを求められる場合、それらの費用は融資承認を理由とするつなぎ融資が必要となります。
このつなぎ融資を利用する場合、通常手形貸し付けで行う金融機関と
全額の抵当権を土地購入時に設定する金融機関に分かれます。
つなぎ融資を利用する金融機関の場合、抵当権設定を留保する金融機関もあります。
住宅新築の場合、その際に設定される抵当権の登録免許税に差が生じます。
例えば土地3000万円、建物3000万円 計6000万円の借入をした場合
土地については抵当権設定時の登録免許税軽減はありません。
建物については、ある一定の要件を満たすと、登録免許税の軽減があります。
具体的には…住宅用家屋証明の取得=業界では減税証明とも言いますが、この証明があると、以下のとおりとなります。
登記の種類 |
本則税率 |
軽減税率 |
所有権の保存 |
0.4% |
0.15%
※1 |
抵当権の設定 |
0.4% |
0.1% |
※1 長期優良住宅・認定低炭素住宅の新築等に係る登録免許税の税率は、令和4年3月31日までの措置として、0.1%(戸建ての長期優良住宅の移転登記については0.2%)に軽減。
軽減を受けられる住宅の要件は「個人の住宅の用に供される床面積50以上の家屋」 ということは、3000万円の抵当権設定は、
軽減前12万円の登録免許税が、4.5万円に!
信用金庫などで抵当権設定留保をし、つなぎ融資で対応していただける金融機関の場合、6000万円×0.15%=9万円
地銀など一括で土地の決済時に抵当権設定をする金融機関ですと
6000万円×0.4%=24万円(その差15万円…)
15万円は税金です。納税したら基本返金はありません。
自己の居住の用に供する家屋について、その家屋を新築・取得した場合における所有権の保存・移転登記又はその家屋の取得資金の貸付け等を受けた場合における抵当権の設定登記に係る登録免許税については、令和4年3月31日までの措置として、次のとおり軽減されます。
つなぎ融資の金利は?
6000万円の融資、利息計算は以下のとおり
差額15万円を金利とした場合、年利で0.25%分となりますが、借入期間が半年となれば0.125%
その間、元本は減りませんが、返済も始まりません。
賃貸住宅などに入居されている場合、実質返済が始まるのは建物完成後のほうがいいのは言うまでもありません。
土地購入時に3000万円分のつなぎ融資⇒これが一番最長期間でおそらく、建物完成まで約半年
中間金の支払いなどで時期がずれる分を考慮すると、どちらが得なのか?判断は難しいですね。
ネット系金融機関の落とし穴
金利などで他社よりも安そうに見えるネット系金融機関の融資
実は、落とし穴が…
●諸費用が高額になります。
司法書士は金融機関指定となります。アブノーマルな設定は一切融通が利きません。
過去に外資系金融機関の借入で抵当権設定費用のみで10万円以上の司法書士報酬を請求された事案も。特に、土地を分筆して購入する場合売主の権利保全のため、司法書士の指定ができない場合は不向きだと思います。
●保証料ゼロでも一律事務手数料?
一例として楽天銀行は、融資事務手数料がネットからですと33万円です。(楽天銀行ホームページより引用) 店頭での手続きは融資金額の2.2%(税別)
●手続きがすべてネットでできる利点と欠点
極端な話、クリック一つで変わってしまうという場合も。
●審査基準が厳しい
一般の金融機関と異なり、AIが判断する?
つまり、融通の利かない内容が結構多くあります。
逆に型にはまれば、金利面などでの優遇もあるので、お得に借り入れができると思います。
住宅ローンはよく吟味が必要です。
不動産の購入時には、それぞれの利点と欠点をしっかりとご説明したうえでお話を進めさえていただいております。
間違っても、手続きの簡素化だけを理由に、金融機関をご紹介するようなことは行っておりません。
基本、給与振込口座がある金融機関(サラリーマンの場合)
ご商売をされている方であれば、メインバンクに!
これが大前提です。
次に、移動転勤などが生じた場合にどうするか?というところです。
メガバンクなら主要各都市にありますが、地銀は基本隣接する他都道府県まで、信金はさらに小さなパイになってしまいます。
逆に、地元に密接に絡む信金ならではの利点もあると思います。
どれが一番お客様にとって有利なのか?よく相談いただくことが多いと思います。