地代改定を拒む借主への対応

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2024年05月17日

地代改定を拒む借主への対応

先代から貸付している土地、なかなか地代が上がらない…なぜそのようなことが生ずるのでしょうか?

リアルアイでは、地代改定についてのアドバイスも行っております。 

地主と借主の主張のギャップ

地代とは、その土地の借受に際し、対価を決めて双方が合意の上、契約を締結し、借主は支払義務が生じます。
ところが、 以前の法律では、「貸したら最後」という印象が強く、近年の土地所有者は貸付することを望まない傾向に。

そこで登場したのが、「定期借地権」と呼ばれる期間を決めて貸すというスタンス。
従来(旧法)との大きな違いは、期間満了後は返却義務が借主には生ずるということです。

でも近年は少子高齢化。
都心回帰とは裏腹に、中心部の商店街はシャッター街となり・・・歯抜け状態の変形地。そして・・・

こんな状態では、土地の有効活用を言ったところで相手にされません。 
地主が悩む多くは、借主の質…

借主が言いなりになれというわけではなく、正当な事由に基づく賃料交渉・改定が行われれば、貸主も納得してその土地を有効活用できるのですが、残念な話、高齢化が進む街の中の古家を一生懸命お金をかけて、住み続ける借主もいまだにいるのです。

土地の賃貸借契約の基本として、「借りたら返す」
帰す際には現状に復して返すこととされています。

よく、上物を壊せば、後は知らん・・・なんて事案もありますが、弊社で手掛ける立退き交渉の多くは地中埋設物の撤去も借主に責を追っていただく内容にしています。

その結果、実際に掘り返してみると、明らかに貸付当時に地中に埋めた古瓦等が出てくるケースが散見されます。建築の際に、地盤改良?地盤補強?のために埋めたものだというのは明らかです。
これらが埋まったまま、売買をすることは基本行いません。ある程度建築に支障のない形にしなければ、まさに契約不適合責任を問われると思います。

そして地代についても同じです。

同じ1万円の価値が、10年前と今では違います。
昔、賃料が安かった例の多くは、貨幣価値や経済動向に見合わない地代設定で、その後も放置したケースが散見されるからです。 

一宮市大江の場合…(社長伊藤の自宅敷地を例に…)

3年に1度される不動産評価替え(これは不動産鑑定士の仕事ですかね??)によれば、10年前対比約1.5倍?の課税評価になっているようです。

ということは、土地貸主の経費として認められる固定資産税・都市計画税が増えれば、その分収益は少なくなるということです。

商品を仕入れる際に、その仕入価格が上がれば、販売価格に転嫁するのは市場の道理です。
とあれば、ある程度無理のない範疇で、地代の見直しはしてもよいと考えます。  

30年前と変わらないのは大卒初任給???

厚生労働省の資料による大卒初任給の年次推移は、90年代以降頭打ちだと聞きます。
一方、先述の固定資産税をはじめ、物価は上昇・・・ということは、生活水準の二極化が進んでいるのは言うまでもありません。

そんなときに、思うのです。

土地を持っていても、その有効活用ができなければ・・・
時代と共に、マイホーム取得の夢も少しずつ変わってきているのかもしれません。 

地代改定を拒む借主様へ

極端な地代改定を地主に求められたら、その内容を吟味したうえで拒否をすることもありだと思います。
一方、地主(というよりは家主)の義務である、建物の補修義務を全うできない事案があったとしたら、それは断固拒否してもいいと思います。

地元の商店街に近い場所で実際にそんな話があり、古くなったので家主は退去してほしい。借主は継続して住みながら業務を営みたい・・建物は雨漏り・・・

結論は、借主が建物補修をすることで合意し、今後一切の賃料買い手は行わないという前提かつ賃料の減額となりました。

一方、土地を何筆も貸し付けている地主が1件の借主だけが地代改定ができないという相談もありました。
その借主の素性を確認すると、明らかに貸付した当時の本人確認や取得経緯があいまいのまま、至ったようです。
30年近く地代改定がされていませんが、その間に固定資産税は2倍近く・・・となれば、何かを求める義務として市場に釣り合わない貸付は解除するべきだとアドバイスをしています。

本件のような問題を、複数の事案を受託していますが、地代改定ができなかった事案は今のところありません。(現在も継続して対応している案件はありますが…)

自らが義務を全うしない主張をしても、結果は損をすると思います。 

立ち退いたほうが得!そう言って立退きに同意した事案も

古家に住めば、改修費もかさみます。
地代も必ず見直しをされます。

伊藤の現在の自宅は、令和4年に貸付地の立退きが完了し、令和5年に建て替えをすることができました。

その手法は・・・

『借主から建物取壊し費用をしっかり頂きました』
『地代改定ももちろんさせていただく前提でお話をしました』
『退去先のあっせんは協力をさせていただきましたが損はしていません』

結果として正解だったとお声を頂いております。 
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